英語太郎の日記

機械音声で覚えた英語を、あとから全部聞き直した話

英語太郎の日記アイキャッチ

英語を覚え始めたころ、私はとにかく音声動画を流していました。今みたいに自然な読み上げや、ネイティブの声で作られた教材がたくさん見つかる感じではなくて、一昔前の、少しカクカクした機械音声の動画です。

画面に単語が出て、読み上げが流れて、日本語訳が出る。そういう動画を何度も聞いていました。移動中にも聞いたし、何か作業しながらも聞いたし、寝る前にも流していました。自分ではけっこう真面目にやっていたと思います。

そのころの私は、「音声があるだけでありがたい」と思っていました。文字だけの単語帳よりはずっと覚えやすいし、耳に入れておけば自然に慣れるはずだと思っていました。実際、単語の意味を覚える助けにはなりました。だから、あの時間を全部否定したいわけではありません。

でも、あとから英語ネイティブの自然な発音を聞いたときに、何度も「あれ、思っていた音と違う」と感じました。文字では同じに見えるのに、口から出る音の丸み、息の抜け方、語尾の落ち方、文全体の流れが違う。知っている単語のはずなのに、会話の中で聞くと一瞬わからないことがありました。

そのときに、けっこうへこみました。自分では英語を覚えていたつもりだったのに、実際には機械音声の癖ごと覚えていた部分があったんだと思ったからです。もちろん機械音声にも便利なところはあります。でも、自然な会話の中に入ると、やっぱり人の声の揺れ方とは違います。

特に印象に残っているのは、語尾です。機械音声だと、言葉が一つずつ均等に置かれていく感じがあります。でも実際の英語は、もっと流れます。軽く落ちたり、少し伸びたり、相手との距離によって声のやわらかさが変わったりします。そこに気づくと、単語を覚えるだけでは足りなかったんだと実感しました。

英語を学び直す中で、私は一度覚えた単語をもう一回聞き直すことになりました。意味は知っている。でも音としてはまだ自分の中に入っていない。そんな言葉がたくさんありました。これは地味に時間がかかります。最初から自然な音で覚えられていたら、もう少し楽だっただろうなと思うこともありました。

英語太郎を作った理由は、かなりこの経験にあります。英語を始めたばかりの人に、なるべく遠回りしてほしくない。文字で覚えた言葉が、ちゃんと耳の中でも英語として残ってほしい。聞いたときに「あ、この音知ってる」と思えるものを増やしたい。そういう気持ちがあります。

だからこのサイトでは、音声をただのおまけにしたくありません。単語を見て終わりではなく、音として聞いて、声に出して、場面の中で思い出せるようにしたいです。発音を完璧にするというより、自然な英語の響きに早めに触れておくことが大切だと思っています。

私自身、英語を勉強していて一番うれしかったのは、難しい文法を説明できたときではなく、短い言葉がふっと聞き取れたときでした。字幕を見る前に「あ、今こう言った」とわかる瞬間。あれは小さいけれど、かなりうれしいです。

この日記は、そういう感覚を忘れないためにも書いています。きれいな教材ページだけだと、どうしても整ったことしか書けません。でも実際には、遠回りしたり、聞き間違えたり、前に覚えた音と違って戸惑ったりしながら進んできました。その過程も、英語太郎というサイトの一部にしたいです。

もし昔の私と同じように、音声を流しているのに会話になると聞き取れないと感じている人がいたら、それは才能がないからではないと思います。文字と意味は覚えていても、自然な音とまだ結びついていないだけかもしれません。そこを少しずつつなげていくための場所として、このサイトを育てていきます。